2015年 03月 12日
1956年 味園ビル@大阪/難波 -1- |
1956年竣工。
設計はオーナーである志井銀次郎氏とある。
東京タワーが1958年うまれ。
そう言われれば、一気に時代が読み取れる。
赤と青という派手なネオンライトとインパクトのある漢字のフォント。
奇をてらったようないやらしさなどは感じられない。
レトロ、廃墟好きな私にとっては好奇心をそそられるドストライクな建築。
吸い込まれるようにスロープへと向かう。
ロートアイアンが贅沢にあしらわれた手摺に、
質感を確かめるかのようにそっと触れた。
味園ビルに一歩踏み入れたとたん、
流れ落ちる滝の音が耳をふさぎ、
友人との会話も途切れた。
その瞬間、
景色が。世界が。空気が変わった。
タイムスリップ?
間違いない。
ピンクのもやをくぐり抜けた感覚がした。
ご飯が割としっかり食べられると聞いた、
スロープをあがってすぐのお店。
本日のまかないメニューと、スタッフさんにお任せでカクテルを作ってもらうことに。
"今日はライブがあります。"
とスタッフさん。
私が好きでよく聞く、
ジャズのコンピレーションアルバム(英語)から飛び出してきたのかと思うくらい洗練された伸びのある、心地よいハスキーボイスのお姉さん。
そして、ポロンポロンと優しく弾むベース音と、
親しみを感じさせてくれる軽やかなピアニカの音色に酔いしれる。
ログハウスのような丸太の壁。
レトロモダンなカウンター。
アーティスティクな船舶照明のような灯り。
フレンドリーながらも、謙虚で、紳士的なスタッフさん。
人の営みが作り上げる空間。
全ての調和がとれたときが、"良い空間"なのなかぁ。
また行きたい。
そう思わせてくれる何かがある。
帰りのスロープを下りながら、
素敵な出逢いをありがとう。
と心の中でつぶやき、ピンクのもやをくぐり抜けた。
大阪が、またひとつ好きになりました。
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by qyunqyum
| 2015-03-12 23:37
| ARCHITECTURE